認知と相続について。認知って何?~京都で相続相談なら、京都鴨川司法書士・行政書士事務所~
2021/08/19
今回は認知と相続ということで、認知という制度の概要と認知された子の相続権のお話をしていきたいと思います。
認知という言葉は皆さんも耳にしたことはあるかと思いますが、まずは制度の概要をお話させていただきます。
まず、認知とは、法律上の婚姻関係のない男女の間に生まれた子について、意思表示または裁判によって、親と子の間に親子関係を発生させる制度です。また認知は出生の時にさかのぼってその効力が発生するので、認知のときからではなく、その子が出生した時から、両親の子であるという効果が発生します。
具体例を挙げてみますと、法律上の結婚の手続をとっておらず、婚姻関係にない男女の間に生まれた子につき、男が男と子の間に親子関係を生じることを目的として子を認知することにより、男と子の間に親子関係が生じるということです。なお、この場合、父と子の間の父子関係は認知をすることによってはじめて効力を生じますが、母と子の母子関係については、認知を待たずして、分娩の事実により当然に発生するということです。ですので、一般的には、認知が問題となるのは父と子の間の関係であるということです。
そして、認知された子は、当然に父の子ということになりますので、父が死亡した財産についての相続権は生じるということになります。しかし、この場合も、父と母の間については、法律上の婚姻手続きを行わない限り、事実婚として取り扱われ、父の相続につき、母は相続権を持ちません。
すこし、マニアックですが、注意すべき点として、認知された子については、出生にさかのぼってその効力が生じると先に述べました。しかし、この点につき、第三者がすでに 取得した権利を害することはできないというように民法上記載がなされています。ケースとしては、相続の開始した後に認知によって相続人となったものが遺産の分割を請求しようとする場合には、他の共同相続人がすでにその分割その他の処分をしたときには、価額のみによる支払いの請求権を有するにとどまるということです。少し難しいですので、あまり気にしなくてもよいのかもしれません。とりあえず、お金だけもらえるということです。
また、認知に似たような効力を生じる制度として「養子縁組」という制度があります。これは、親と子供の間に親族関係を生じさせる制度です。ですので、子や親は法律上当然に相続権は発生させるという点で、認知と同じような効果が生じる制度です。
今回は認知と相続権というところでお話させていただきました。また、夫が子を認知してくれないときでも、認知の訴えというものを起こすことができます。
認知制度は親子関係を生じさせるという強力な効果を持った手続きです。親子関係は、権利だけではなく、親の扶養義務など、義務も伴う関係となります。
このあたりは一度専門家にご相談していただくこともよいかと思います。
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