相続放棄をする具体的な方法って?~京都で相続相談なら京都鴨川司法書士・行政書士事務所~
2021/08/18
前回は、相続放棄の概要について説明しました。今回は、ご自身で相続放棄の手続きをやる場合の手続きについて解説したいと思います。
まず、相続放棄の手続きについては、相続の開始をしったときから3か月以内に家庭裁判所に所定の手続きを行うことで行うことができるという点は前回の復習です。
今回は家庭裁判所の所定の手続きの解説を行いたいと思います。
家庭裁判所といっても、いくつもの家庭裁判所のどこに申請をすればよいのかと申しますと、被相続人の最後の住民票上の住所地の家庭裁判所ということになります。
例えば、京都を例にとってお話しますと、京都市が最後の住所地である方が無くなった場合の相続放棄手続きは京都家庭裁判所にへ。舞鶴市が最後の住所地である方が無くなった場合の相続放棄手続きについては、京都家庭裁判所舞鶴支部ということになります。
被相続人と相続人が離れて暮らしている場合等においては、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に相続放棄の申述が必要ですので、注意が必要です。
そして、相続放棄の手続きに必要なものですが
①収入印紙800円分
②郵便切手 84円×5枚 10円切手×5枚
③相続放棄の申述書
④添付書類
です。
①②に関しては、郵便局で購入していただき、収入印紙については申述書に貼り付けをし、郵便切手については、貼り付けずに持っていく又は郵送します。
②については、あくまで京都家庭裁判所が必要とする郵便切手の数ですので、その他の裁判所については、枚数が異なる場合も大いにありますので、事前に電話をする等して確認する必要があるかと思います。
③については、書式と記載例のリンクを張っておきますので、こちらをご参照いただくことがよいかと思います。あくまでも京都家庭裁判所の書式です。各家庭裁判所にはそれぞれの決まった書式がありますので、そちらをお使いにならないと相続放棄の申述をすることはできませんので、ご注意ください。
書式 (https://www.courts.go.jp/kyoto/vc-files/kyoto/2020/fckyo_201102reiwaban/SouzokuHouki.pdf)
記載例 (https://www.courts.go.jp/kyoto/vc-files/kyoto/2020/fckyo_201102reiwaban/SouzokuHouki.pdf)
またご不明点については、管轄の家庭裁判所の書記官に電話等で尋ねるのもよいかと思います。
④の添付書類については、以下のものが必要となることが一般的です。
1 被相続人の住民票の除票又は附票
2 被相続人に関する戸籍謄本
3 相続放棄をする方の現在戸籍
ただし、2については、どのような方が相続放棄を行うかによって、異なる場合もありますが、一般的には、被相続人の死亡時の戸籍謄本が必要となります。
このあたりの必要戸籍についても逐一、裁判所や専門家に確認を行ったほうが確実かと思います。なお、万一、提出する添付書類にもれがあったとしても、裁判所から追加で添付書類を提出してください等の連絡がきますので、逐一対応することも可能です。ただし、あくまで相続を知った時から3か月以内に手続きをする必要があるので時間との勝負となることも多いことは確かです。
以下、少し気になる点を記載します。
また、相続放棄について、家庭裁判所には相続をしった時から3か月以内に申述手続きを行う必要があることは前述しました。しかし、例外的に、例えば、相続財産の状況を調査しても、なお相続証人するか放棄をするべきか判断ができないような事情がある場合には、家庭裁判所にきちんと申し立てることによって、その期間を延ばすことができます。ですが、やはり、この3か月以内には何等かの形で家庭裁判所への手続きを行う必要がありますので注意が必要です。
相続放棄はそれぞれの相続人につき行うことになります。例えば、夫の相続につき、妻と子2人の全員が相続放棄をする場合には、その全員分につき相続放棄の申述書及び添付書類を提出する必要があります。また、第1順位の相続人が相続放棄を行うと第2順位の推定相続人が相続人となりますので、こちらについても相続放棄の手続きを行わなければならない可能性も発生します。例えば、父の相続につきその子供が相続放棄を行った場合は、父の父母が相続人となり、その父母も相続放棄をした場合には、父の兄弟姉妹が相続人となります。
相続放棄の手続き自体は決して難しいものではないかと思います。しかしながら、相続放棄を果たしてすべきか、相続放棄をした効果がいったいどのようなものかについては、なかなか難しい判断も介在することは確かです。
相続放棄はとても強い法的効果をもったものです。これを適切に運用することはとても有用なものですが迅速に慎重に対応していくことが必要かと思います。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。
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