遺言書の種類って何がいいの?~京都で相続の相談なら京都鴨川司法書士・行政書士事務所~
2021/08/10
今回は、遺言書の種類について、よくある質問である「どの遺言書を作成するのがいいの?」という質問に答えていこうと思います。
まず、遺言書ですが、皆さんが作成される遺言書の中でも一番多いものが
①自筆証書遺言
と
②公正証書遺言
です。
①は、皆様が一般的にお考えいただいているような遺言書です。遺言者が自分で遺言を書いて、それを自分で保管しておくというものです。
②は、公証人役場で作成する遺言です。証人二人の立会のもと作成し、公証人役場で保管される遺言書です。
なお、①につき、最近、自筆証書遺言の保管制度が法務局で始まり、遺言作成し、それが法務局で保管することが可能となりました。
①の自筆証書遺言は、全文、日付、氏名を遺言者本人が書かなければなりません。近年の法改正により、一部遺言の財産のリスト等につき、ワープロ等の利用が可能となりました。(これは、相続財産の種類が多岐にわたる場合の措置ですが、個人的な意見となりますが、そもそも相続財産が多くなる場合には、その内容も複雑かつ相続財産の価値も大きくなるため②の公正証書遺言を利用したほうがよいかもしれません。)
自筆証書遺言のメリットとしては、手軽に自分ひとりで作成でき、その費用も掛からないことです。
逆にデメリットをいくつか上げてみますと、
①形式を守らなければ遺言の効力は無効
(例えば、日付を 「令和3年吉日」と書いた場合には日付が特定できないため遺言書の効力は有しません。)
②遺言者の死亡後、本当に遺言者が書いたものかどうかで争いになることもある
(筆跡や紙質等から、本当に本人が書いたものかどうか疑義がでる場合もあります)
③遺言書を書いた後に、遺言の保管をどのようにするかが問題となる
(この点は、法務局での保管制度を利用することができます)
注)法務局での自筆証書保管制度を利用したとしても、その遺言書が果たして有効であるかどうかの判断は、法務局は行いません。
その内容や生じるリスク等の考察については、専門家を利用するしかないことには注意が必要です。
④そもそも遺言書は一通しかないため、相続人が手続きをする上で紛失したりする等のリスクがある。
(一通しかない遺言書を紛失した場合には、遺産分割協議書を作成する必要があります。)
一方②の公正証書遺言を作成する上でのデメリットは、費用が掛かるという点です。
メリットとしては、自筆証書遺言で申し上げたデメリットがなくなるという点です。
①形式面は公証人がチェックしてくれるため、遺言書が無効となることはない
注意)一方内容面の法的効果(財産の帰属先や税金の問題)についての検討はこの場合でも公証人役場では行ってくれませんので、専門家を利用する必要があります。
②公正証書遺言作成の場合には、証人が2人立ち会った上での厳正な手続きを経るため、のちのちに裁判等でもめる可能性が極めて少ない
③公証人役場が遺言者が120歳になる年まで保管してくれる。また、いつでもその内容を作成しなおすことができる
注意)作成し直すことには費用は発生します。
④公正証書遺言書は、その写しを公証人役場に請求すれば、いつでも取得することが可能であるので、無くした場合等の対応も可能
といったところです。
専門家の私としては、自筆証書遺言を作成するか公正証書遺言を作成するかでいえば、やはり公正証書遺言を作成することをお勧めします。
多くの方が、「公正証書遺言を作成するほど財産がない」とおっしゃりますが、相続財産が少ないほど、相続人間で争いがおこることも少なくありません。
相続人が、もめずにこの先生活をしていくことを望まれるのでしたら、私は公正証書遺言の作成を強くお勧め致します。
参考として、下記のブログもご参照ください。
(参考ブログリンク 遺言書の作り方①https://kyotokamogawa-souzoku.com/blog/detail/20210814113705/)
(参考ブログリンク 遺言書の作り方②https://kyotokamogawa-souzoku.com/blog/detail/20210814114847/)
弊所では、遺言の初回相談も無料でおうけしておりますので、お気軽にお電話いただけますと幸いです。